アレッサンドロ・ガラティといえば、『ジャズ批評』誌の「ジャズオーディオ・ディスク大賞」常連のピアニスト。研ぎ澄まされた美しいメロディと繊細な表現力で日本にもファンが多い。今作は全編ジョビンの名曲のカヴァーだが、ジョビンの曲想とガラティの透明感溢れるリリカルなピアノの融合は、良い意味で期待を裏切ってくれる。 録音はイタリアのアルテスオノスタジオで行われた。現代を代表するエンジニア、ステファノ・アメリオによる粒立ちの良い音に耳をすましていただきたい。 どの楽曲もガラティならではの耽美なアプローチが印象深いが、特に6曲目の「Fotografia」の優しく軽やかな音色と、あたたかくも美しいサウンドスケープには胸を打たれる。