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ROTH BART BARON(ロット・バルト・バロン)、ニューアルバム『8』が10月18日にリリース。 世界との接続を再開した2023年に描く"ジュブナイル物語"、それは三船雅也が歌う子供たちへの『スタンド・バイ・ミー』である。  コロナ禍でも誰よりもアクティブなリリース&ライブ活動を続け、渡航不可の環境下で日本にフォーカスし社会と向き合った近年の三部作『極彩色の色彩』、『無限のHAKU』、『HOWL』。これらを経て、ROTH BART BARON・三船雅也の拠点は昨年末からドイツと日本の2カ国となった。ドイツ・ベルリンでの新生活という大きな環境の変化は創作の原点回帰に繋がり、今、響かせたい音楽を追求しながら新作『8』は完成した。  本作にはタイを代表するインディ・ロックバンド "Safeplanet" が暖かな風を吹き込んだコラボレーション曲「BLOW」、またバンドにとって新機軸とも言える快楽的なラブソング「Closer」を収録。結果として、彼らの音楽は国境を越え、世界で音を奏でるイメージが爆発している。  歴史的に見ても特別なタームであった2020年からの3年間は、バンドが日本での活動に向き合った期間となった。テレビ朝日「関ジャム」で音楽家・蔦谷好位置による年間ベスト1位に選出された「極彩 | I G L (S)」、アイナ・ジ・エンドとのA_oとしてポカリスエットのCMソングとして世に放たれた「BLUE SOULS」、中村佳穂とのコラボレーション楽曲「月に吠える」など、DIYでインディペンデントな活動を続け、社会と真正面から対峙し活動した結果、彼らの音楽が多くの人々へと拡がった時期でもあった。 「2023年、コロナで一度焼け野原になってしまった場所から何を歌うのか?」。そんな想いを胸に活動がベルリンと東京の2拠点になり新たな生活・人間関係が始まった三船は、バンド活動を始めた原点とも言える<世界との橋渡しになる音楽>の創作へと回帰していく。自分に正直になれたその瞬間、ロットの過去作においても通底したテーマであった”少年性”をテーマに作品を作ることが最もやりたいことであった。  三船自身、幼少期は大人の機嫌をとるために行動していたようにも感じていた。そんな社会はでたらめに変容し、ポリコレやモラハラ、遂には大人が子供の顔色を伺いながら生きているような逆転現象も見られる。「社会がどんなに変わり果てたとしても赤ん坊は生まれ、子どもたちはいつしか自転車に乗れるようになり、ギター少年はFコードが弾けるようになる。どんな社会環境だったとしても、人々は個人的な成長や発見の中で生きている。何気ない日常の喜びの方が大きな価値があるのではないか?」。今作で描きたい世界が鮮明になっていった。  サウンド・プロダクションはこれまでの作品で既に確立されたとも言えるホーンやストリングスが響くスケール感あるサウンドに加え、本作ではミニマムなアンサンブル、音響テクスチャーに重きをおいた新たな音楽性も多く垣間見ることができる。まるで子供のように、心の赴くままにレコーディングは進んでいった。ミュージシャンは馴染みのバンドメンバーに加え、ドイツで出会ったニルス・フラームの在籍するErased TapesのMasayoshi Fujita (vibraphone, marimba)、ドイツ在住タンジェリンドリームのメンバーとしても活躍する山根星子 (violin, viola)が参加。  三船は「今作はこれまでになくエレキギターを演奏することが楽しかった」と語り、最中に出来あがった「BLOW」は当初メロディがどこかタイ語っぽいと感じたところから、これまでも親交があり今やタイを代表するインディ・バンド”Safeplanet”とのコラボレーションが実現。デモ音源の交流が始まり、彼らから届いたメロディは楽曲の風景を大きく明るくする喜びとなった。互いのバンドの持ち味をフルに発揮しながら、これまで寒い国をイメージすることが多かったロットのバンド・サウンドにタイから暖かな風が吹き込まれ、美しいSafeplanetのハーモニーはロットと共鳴するがまた非なるもので、まさに2つの風がぶつかったような楽曲に仕上がっている。  アルバムを象徴する1曲目の「Kid and Lost」は、ベルリンでの新たな生活が始まったことでまっさらな気持ちになり、新たな自分として言葉を紡ぎ出せた楽曲。大人の喜びのためではない子供たちの『ジュブナイル物語』、跳ねて転がるロック・サウンドではあるが、そこには先が見えない危うさが詰め込まれている。  そしてリード曲「Closer」は、これまでのロットにはなかったダンスミュージック・エレポップなサウンドが特徴的で、小説のようにストーリーを書き上げた奇跡的な1曲。モータウンなどの”恋の歌”を愛した三船であったが、きらびやかなシンセサウンドに導かれ”恋に落ちるのは君のためなんかじゃない”と少し捻くれた主人公が登場する”ラブソング”へと昇華させた。<いかなる社会であっても人は恋をしてしまう>、その強い普遍性はアルバムのテーマである『ジュブナイル物語』とも強くシンクロしたのだ。  このサブスク時代に6年連続でアルバムをリリース、一心不乱に音楽を作り続けながら活動を日本・ドイツとの2拠点に拡張。世界での活動を視野に入れながら ROTH BART BARONは未来へと新たなる扉を開く。本作にはこれまで以上に気持ちの良い風が吹き込んでいる。

ROTH BART BARON · 1697558400000

ROTH BART BARON(ロット・バルト・バロン)、ニューアルバム『8』が10月18日にリリース。 世界との接続を再開した2023年に描く"ジュブナイル物語"、それは三船雅也が歌う子供たちへの『スタンド・バイ・ミー』である。  コロナ禍でも誰よりもアクティブなリリース&ライブ活動を続け、渡航不可の環境下で日本にフォーカスし社会と向き合った近年の三部作『極彩色の色彩』、『無限のHAKU』、『HOWL』。これらを経て、ROTH BART BARON・三船雅也の拠点は昨年末からドイツと日本の2カ国となった。ドイツ・ベルリンでの新生活という大きな環境の変化は創作の原点回帰に繋がり、今、響かせたい音楽を追求しながら新作『8』は完成した。  本作にはタイを代表するインディ・ロックバンド "Safeplanet" が暖かな風を吹き込んだコラボレーション曲「BLOW」、またバンドにとって新機軸とも言える快楽的なラブソング「Closer」を収録。結果として、彼らの音楽は国境を越え、世界で音を奏でるイメージが爆発している。  歴史的に見ても特別なタームであった2020年からの3年間は、バンドが日本での活動に向き合った期間となった。テレビ朝日「関ジャム」で音楽家・蔦谷好位置による年間ベスト1位に選出された「極彩 | I G L (S)」、アイナ・ジ・エンドとのA_oとしてポカリスエットのCMソングとして世に放たれた「BLUE SOULS」、中村佳穂とのコラボレーション楽曲「月に吠える」など、DIYでインディペンデントな活動を続け、社会と真正面から対峙し活動した結果、彼らの音楽が多くの人々へと拡がった時期でもあった。 「2023年、コロナで一度焼け野原になってしまった場所から何を歌うのか?」。そんな想いを胸に活動がベルリンと東京の2拠点になり新たな生活・人間関係が始まった三船は、バンド活動を始めた原点とも言える<世界との橋渡しになる音楽>の創作へと回帰していく。自分に正直になれたその瞬間、ロットの過去作においても通底したテーマであった”少年性”をテーマに作品を作ることが最もやりたいことであった。  三船自身、幼少期は大人の機嫌をとるために行動していたようにも感じていた。そんな社会はでたらめに変容し、ポリコレやモラハラ、遂には大人が子供の顔色を伺いながら生きているような逆転現象も見られる。「社会がどんなに変わり果てたとしても赤ん坊は生まれ、子どもたちはいつしか自転車に乗れるようになり、ギター少年はFコードが弾けるようになる。どんな社会環境だったとしても、人々は個人的な成長や発見の中で生きている。何気ない日常の喜びの方が大きな価値があるのではないか?」。今作で描きたい世界が鮮明になっていった。  サウンド・プロダクションはこれまでの作品で既に確立されたとも言えるホーンやストリングスが響くスケール感あるサウンドに加え、本作ではミニマムなアンサンブル、音響テクスチャーに重きをおいた新たな音楽性も多く垣間見ることができる。まるで子供のように、心の赴くままにレコーディングは進んでいった。ミュージシャンは馴染みのバンドメンバーに加え、ドイツで出会ったニルス・フラームの在籍するErased TapesのMasayoshi Fujita (vibraphone, marimba)、ドイツ在住タンジェリンドリームのメンバーとしても活躍する山根星子 (violin, viola)が参加。  三船は「今作はこれまでになくエレキギターを演奏することが楽しかった」と語り、最中に出来あがった「BLOW」は当初メロディがどこかタイ語っぽいと感じたところから、これまでも親交があり今やタイを代表するインディ・バンド”Safeplanet”とのコラボレーションが実現。デモ音源の交流が始まり、彼らから届いたメロディは楽曲の風景を大きく明るくする喜びとなった。互いのバンドの持ち味をフルに発揮しながら、これまで寒い国をイメージすることが多かったロットのバンド・サウンドにタイから暖かな風が吹き込まれ、美しいSafeplanetのハーモニーはロットと共鳴するがまた非なるもので、まさに2つの風がぶつかったような楽曲に仕上がっている。  アルバムを象徴する1曲目の「Kid and Lost」は、ベルリンでの新たな生活が始まったことでまっさらな気持ちになり、新たな自分として言葉を紡ぎ出せた楽曲。大人の喜びのためではない子供たちの『ジュブナイル物語』、跳ねて転がるロック・サウンドではあるが、そこには先が見えない危うさが詰め込まれている。  そしてリード曲「Closer」は、これまでのロットにはなかったダンスミュージック・エレポップなサウンドが特徴的で、小説のようにストーリーを書き上げた奇跡的な1曲。モータウンなどの”恋の歌”を愛した三船であったが、きらびやかなシンセサウンドに導かれ”恋に落ちるのは君のためなんかじゃない”と少し捻くれた主人公が登場する”ラブソング”へと昇華させた。<いかなる社会であっても人は恋をしてしまう>、その強い普遍性はアルバムのテーマである『ジュブナイル物語』とも強くシンクロしたのだ。  このサブスク時代に6年連続でアルバムをリリース、一心不乱に音楽を作り続けながら活動を日本・ドイツとの2拠点に拡張。世界での活動を視野に入れながら ROTH BART BARONは未来へと新たなる扉を開く。本作にはこれまで以上に気持ちの良い風が吹き込んでいる。

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