RUNLIMIT ―CASE1 片桐 連―

RUNLIMIT ―CASE1 片桐 連―

――片桐連は収容施設の実験室で気絶状態から意識を取り戻す。 手元のバングルからは無機質な機械音声が、彼に残された“命のタイムリミット”を告げた。 頭に鋭い痛みが走り、全身がひどく気怠い。 「また昨日も暴走したのか……俺」 連は実験室の中で、小さく呟いた。 五年前、日本政府が行った実験「RUNLIMIT」の被験体となった連は、 実験失敗の代償として、その身体に致命的な欠陥を負ってしまっていた。 夜になると、実験が与えた右脳・左脳への影響で理性を喪失し、 凶暴化する体質へと成り果ててしまったのだ。 さらに被験体の寿命は平均20歳までとされており、 18歳の彼に残されたタイムリミットは、あと僅か……。 そんなある日、連は自分に新たな監察官がつくと告げられる。 対面するなり驚きを隠せない連。 そこに現れたのは彼が長年想い続けてきた、幼馴染の少女だったからだ。 しかし、彼女の中に連と過ごした日々の記憶は無い。 勿論、連が彼女の身代わりとなって被験体になったという事実も……。 「RUNLIMIT」の副作用に抵抗しうる新薬を手にし、 「被験体である貴方達を救う為にやってきた」と話す彼女を 連はなぜか冷たい態度で突き放すが……。 この再会によって、実験の裏に隠された悲しき愛の物語が、ふたたび動きはじめる――

RUNLIMIT ―CASE1 片桐 連―

石川界人 · 1485273600000

――片桐連は収容施設の実験室で気絶状態から意識を取り戻す。 手元のバングルからは無機質な機械音声が、彼に残された“命のタイムリミット”を告げた。 頭に鋭い痛みが走り、全身がひどく気怠い。 「また昨日も暴走したのか……俺」 連は実験室の中で、小さく呟いた。 五年前、日本政府が行った実験「RUNLIMIT」の被験体となった連は、 実験失敗の代償として、その身体に致命的な欠陥を負ってしまっていた。 夜になると、実験が与えた右脳・左脳への影響で理性を喪失し、 凶暴化する体質へと成り果ててしまったのだ。 さらに被験体の寿命は平均20歳までとされており、 18歳の彼に残されたタイムリミットは、あと僅か……。 そんなある日、連は自分に新たな監察官がつくと告げられる。 対面するなり驚きを隠せない連。 そこに現れたのは彼が長年想い続けてきた、幼馴染の少女だったからだ。 しかし、彼女の中に連と過ごした日々の記憶は無い。 勿論、連が彼女の身代わりとなって被験体になったという事実も……。 「RUNLIMIT」の副作用に抵抗しうる新薬を手にし、 「被験体である貴方達を救う為にやってきた」と話す彼女を 連はなぜか冷たい態度で突き放すが……。 この再会によって、実験の裏に隠された悲しき愛の物語が、ふたたび動きはじめる――

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