「感性のチェリーボーイ」期の集大成たるベスト盤の次に、ひさびさに届けられたオリジナル・ミニ・アルバム。邦題は「モーニング・コールはあせらず」。第二の故郷スウェーデンの宿泊も自炊もできるスタジオで録りおろされた5曲は、恋に恋していた少年が、愛する人とのスウィートかつちゃんとした毎日を大事に生きている青年に成長した物語を感じさせてくれる。 生来の粋人かつミーハーなカジくんだからこそ成しえた、エール(仏)並みの嫌味のないブルジョワジーが漂う隙間だらけのポップを聴かせる。素朴なんだけど優雅で、地位や名声よりも人をどこまで思いやれるかに挑む、男・カジヒデキのネクストレベルだ。(石角友香)