数あるPCエンジン用RPGのなかでも最高峰の傑作と評される『天使の詩II』。そのゲームミュージックを、EGG MUSICにて初サントラ化した。初代『天使の詩』で至高のケルティック・サウンドを披露したなるけみちこと、そのサポートを担当する小川史生が、本作でも敏腕を振るう。 今回は前作のオーケストレイション志向を踏襲しつつ、よりポップ/ロックな方向にも幅を広げている。暖かみのあるサウンドに根ざしつつ、必要に応じて高揚感・疾走感を高めていく楽曲構成は、後に『ワイルドアームズ』でみせる作風の萌芽としても興味深いところだろう。作品全体にわたる濃密なテーマ性が、あらゆる要素を調和させており、初期なるけ作品の集大成と呼ぶに相応しい音楽となっている。