衝動作にして新境地。Japanese Free Jazzの提案とも言うべき Uyama Hirotoの渾身の意欲作 本作は今までのUyama Hirotoの作品とは一線を画す。 実験的に楽曲を制作する中で見えてきた自身の音楽の根幹にアプローチした、渾身の意欲作である。 これまでの作品はHip HopやJazzと言ったジャンルの中での様式美を追求した作品であったが、今作は心の深層部と向き合い、湧き上がる感情を素直に音に投影し、それをこれまで培ったテクニックやテクノロジーにより解放することによって生まれた。 どちらもUyama Hirotoの作品ではあるが、制作過程において過去作が建築的であるとすれば、今作は溢れ出たフレーズやビートが散りばめられた衝動的作品と言える。 それ故、アルバムを通して日本人であるDNAに刻みこまれた民謡的メロディ、野生的な打楽器、竹笛等のスピリチュアルな楽器の音色など、耳慣れたUyama Hirotoらしさもありながら、意外な側面にふと耳を奪われることも少なくない。 また、過去の自分だけでなく、Hip HopやJazzのお決まりの概念やマナーにとらわれない、 全く新しいJapanese Free Jazzの提案でもある。 彼の音楽人生の中で、生まれるべくして生まれた心のうねりをストレートに表現した作品群は、まさに音楽エネルギーの代謝の賜物であり、Uyama Hirotoの更なる可能性を感じさせるアルバムに仕上がっている。
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