Kosugi Takehisa - electronics Barre Phillips - contrabass Takahashi Yuji - piano 漠然と身と心が抱いていた希望が不意に目のまえで実現した。そういう空間がここにある。 音はやってきて立ちどまりまるくなりかくばってのびあがり背を辿りこぼれて跳ねる。刹那に 悠久を気づかせる三つの風骨が美しい。探りあうのではなく存在を消し合おうとしている のではないか、と感じられることさえあった。いくつもの影がゆらめいて重なり合う。淡い波が 現われては消え消えては予期せぬところからまたやってくる。楽器や電子があること、 ここに人間がいたことも、忘れさせる三人だった。(湯浅学/音楽評論家)